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ICTワールドニュース

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2020.10.12

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  • 英国

【英国】BT、東芝ヨーロッパと共に英国の主要なスマート生産施設間に英国初となる量子安全産業ネットワークを設置したことを発表

BTは、10月1日、東芝ヨーロッパと共に英国の主要なスマート生産施設間に英国初となる量子安全産業ネットワークを設置したことを発表した。同ネットワークは、英国の複合研究開発施設であるNational Composites Center(NCC)と、新しいデジタルエンジニアリング機能を開拓する非営利の研究組織であるCenter for Modeling & Simulation(CFMS)の間を繋ぐ。英国政府が出資するイノベーション推進組織である「イノベートUK」の「AQuaSeCプロジェクト」によって資金提供された同ネットワークは、量子鍵配送(QKD)(単一光子のストリームを使用して、性質上ハッキングできない最先端の技術)を使用して、産業用施設間のデータトラフィックを保護する。オープンリーチ社のファイバーを使用して、東芝のQKDシステムは、1秒当たり数千の暗号化キーの配布を可能にする。その革新的な多重化互換性により、データと量子鍵を同じファイバーで送信できるため、鍵配布のための高価な専用インフラが不要になる。今回は、最初の展開として6kmの範囲がカバーされるが、現在カバーできる範囲は最大120kmまで拡張されており、主要な大都市環境全体で超安全なデータ送信が可能になる。

BTと東芝は、数十年にわたる研究と長年にわたる緊密な協力関係を経て、量子暗号の開発における世界的なリーダーとなっている。本日の発表は英国で初となるQKDの展開を示しているが、東芝はすでにグローバルで複数の概念実証(PoC)を運用しており、ヘルスケアや金融サービスなどの機密性の高い分野で機能している。また、BTも現在、セキュリティの研究開発に毎年6,000万ポンド(約81億8,070万円)を費やしており、このような量子セキュアネットワークから業界をリードするAIおよびデータ視覚化機能に至るまでのテクノロジーに投資している。なお、量子コンピューティングは、ブレグジット後の世界における英国経済の変革において重要な役割を果たし、コネクテッドスマートファクトリーとインダストリー4.0の将来に大きな影響を与える可能性がある。

先月、英国政府は、英国がテクノロジーの最前線にとどまるのを支援することを目的とした、2022年に完成する予定の国立量子コンピューティングセンター(NQCC)の設立を発表した。これは、量子の未来への取り組みとして、英国の10億ポンド(約1兆3,630億円)の国立量子技術プログラムの一環として発表された。

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