FCC(連邦通信委員会)は、地上テレビ放送を新たなブロードバンド・サービスの提供手段として推進するため、地上テレビ放送事業者が提供するOTT動画サービスや、ATSC 3.0によるデータ通信サービスには、従来、地上テレビ放送に課されている所有規制が適用されないことを明確化した。FCCは6月9日に開催された電話会議において、地上波放送インターネットに関する宣言的決定と規則制定提案告示(NPRM)を全会一致で採択した。同決定により、地上テレビ事業者は所有規制に抵触することなく、同一地区の他事業者との間でインターネット・サービスを提供するためのリース契約を結ぶことが可能となる。
共和党のマイケル・オライリーFCC委員は、地上放送のATSC 3.0への移行において、ある放送波信号を別の放送局で一時的にホストすることが、所有規制の範疇にないとした同決定を歓迎している。また、共和党のブレンダン・カー委員は、地上放送インターネットには新しいブロードバンド提供手段として大きな可能性を有し、その市場も競争的なものとなると展望した。一方、民主党のジェシカ・ローゼンウォーセル委員は、地上放送インターネットに所有規制が適用されないことの重要性とともに、ATSC 3.0にはデータのリターンパスがなく、遠隔医療や教育にとって大きな障害となっている点を指摘している。
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