国際貿易省(DIT)は、6月9日、デジタル・文化・メディア・スポーツ省と共に、デジタル貿易を推進し、英国のテック企業をグローバルプレイヤーとするための一連の政策を発表した。新しい対策は、アジア・パシフィック地域を含む国際市場への技術の輸出増加と国際投資を惹きつけることにより、雇用を作り出し、支援するものとなる。具体的には、「アジア・パシフィックのためのデジタル貿易ネットワーク(Digital Trade Network for Asia-Pacific)」を創設し、英国の中小企業がアジア市場に進出できるように支援する。また、新しい「技術輸出アカデミー(Tech Exporting Academy)」を立ち上げ、英国のスケールアップ企業に対し、業容拡大のための必須分野である、規制や知的財産、コンプライアンスなどに関する専門家のアドバイスを提供する。
これらの対策は、英国のテック企業が将来のFTAを含む貿易の機会から利益を得ることを支援するプログラムの一部となる。DITによれば、米国や日本のようなパートナーとの将来的なFTAは、デジタル技術や電子商取引の分野における新しい基準を設定し、英国の世界的なテック企業に投資を呼び込むことで、英国がさらに先に進むことを可能とするだろうとしている。今週、国際貿易省は、日本との交渉のファースト・ラウンドを開始した。DITによれば、政府の分析では、英国と日本のFTAは、英国のすべての地域(特に、スコットランド、ロンドン、イースト・ミッドランズ)に利益をもたらすとしている。
(注)テック分野は英国にとって主要な成長エリアであり、2018年には経済に1,500億ポンド(英国GVAの7.7%)貢献している。また、雇用規模は290万人以上となっている。昨年(2019年)、英国は約100億ポンドの投資を呼び込んでおり、これは、ドイツとフランスへの投資を合わせた額よりも大きい(米国と中国に次いで3位)。
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