2020.04.06
【欧州】欧州委と欧州電子通信規制者団体、新型コロナウィルス対策によるトラフィック増への協力体制に関する共同声明を発表
欧州電子通信規制者団体(BEREC)と欧州委員会は3月19日、新型コロナウィルス対策によるトラフィック増加の負荷への対処方法、通信網の危機に対して状況を見極め、対応するための特別プロセスに関する共同声明を発表した。EUオープン・インターネット規則に従い、差し迫った通信回線混雑の危機を回避し、暫定的な混雑緩和を目的としている場合、同一分類のトラフィックが公平に取り扱われることを条件として、各オペレータは例外的なトラフィック管理手段の適用が認められている。EU加盟各国におけるコロナウィルス危機に立ち向かうための封じ込め対策もこれに当てはまる。BERECのDan Sjoblom委員長は、「現在のところ、各国の事業者による適切な対処により重大な通信混雑問題は起きていないが、前例のない非常事態においてわずか数日間で状況が劇的に変化することを目の当たりにしてきたため、我々は今後も油断することなく、状況変化に注意しなければならない」とコメント。
各国のインターネットトラフィック状況の定期的な監視を確実にするため、欧州委員会とBERECは各国の規制機関または競争当局による支援体制の下、トラフィックとユーザ体験の状況をフォローアップするための特別なメカニズムを設置する計画である。その際、全く新しい監視機関を導入するのではなく、既にBEREC内において存在する情報共有メカニズムを強化する方法を取る意向。また、タイムリーな情報提供は有効かつ効果的な監督任務を実現可能であることから、個人や企業に対する透明性向上のための各国の規制当局への施策提案を事業者から募集している。