英国の通信インフラ・メディアサービス事業者のアルキバ(Arqiva)社は10月8日、同社のテレコム部門の売却を発表した。
主なポイントは以下のとおり。
*アルキバ社のテレコム部門はこれまで、英国のMNOによるモバイルカバレッジの拡大、5G技術やスモールセルの展開を支援してきた(注1)。
*今般、アルキバ社の通信インフラと関連資産の売却に関して、Cellnex社と合意に至った。Cellnex社は、英国、アイルランド、スペイン、イタリア、フランス、スイス、オランダで鉄塔事業を行っている企業である。
*取引は、アルキバ社の約7,400の基地局(鉄塔、都市の屋上設備を含む)や、約900サイトで市場開拓する権利を含み、20億ポンド(約2,623億円)での売却となる。
*売却利益の大半は負債削減に使われる。これは、アルキバ社の資本構造を強化し、アルキバ社の放送インフラ事業の長期の持続可能性をさらに確固たるものにする。
*アルキバ社の放送事業(注2)は引き続き、英国のデジタルテレビやラジオサービスの投資を支えるため、重要な役割を果たす。また、スマートメーターネットワークを提供するM2Mデータサービスも引き続き事業を続ける。
*この取引はアルキバ社、Cellnex社双方の取締役会で承認されており、規制当局の承認を経て、2020会計年度後半に完了する見込みである。
(注1)英国の主要携帯電話事業者であるEE、ボーダフォン、O2、スリー4社すべてがアルキバと個別に契約していた。
(注2)英国には、同社が運用する約1,500の放送送信設備がある。ITVとBBCのジョイントベンチャーである定額制動画配信サービスのブリットボックス(BritBox)は10月11日、英国でのサービス提供に先立ち、委託企業のラインアップを発表した。
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