2017.08.14
【英国】財務省、英国のイノベーティブ企業の成長支援を目的とした新国家投資基金の設立案を発表
財務省は8月1日、英国の最先端技術の開発を手掛ける企業の支援を目的とした国家投資基金の新設に関する提案書「イノベーティブ企業の成長に対する資金調達」を公開諮問として発表した。同文書では、米国の企業と英国の企業が得られる資金の格差が40億ポンドにも上る現状について指摘。現在、欧州投資基金(European Investment Fund)に依存している英企業の資金調達を、EU離脱後にも確保できるようにするもの。同公開諮問ではまた、年金基金から得られる投資が企業にもたらし得る利益について検討しており、例えば、どのように英国の大学における研究成果を商業化できるかや、英国全体の企業への投資促進の可能性について広く意見を求めている。
ハモンド財務大臣は、英国はイノベーション大国であり、英企業が新しい市場を開拓・獲得することが出来るよう、政府は資金調達方法を確立し、英国の生産性を高めるとともに、国全体としてより良い収入が得られる雇用を創出したいと説明している。新国家投資基金の設立・運営の方法については主に3つの方法が提案されており((1)官民パートナーシップ、(2)政府の貸借対照表上でブリティッシュ・ビジネス・バンクの新子会社を立ち上げ、適切な時期に、その一部あるいは全てを民間投資家に売却する、(3)既存ルートを用いて政府による投資を実施する)、関係者らから広く意見を求めている。同公開諮問は9月22日に締め切られる。