2017.06.05
【米国】トランプ大統領、予算教書でブロードバンド拡大を含むインフラ再建計画を提案
トランプ大統領は5月23日、大統領就任後初となる予算教書を発表した。ICT関連の予算としては、大統領がこれまで提唱してきた総額1兆ドルの米国インフラ再建計画の概要が6ページのファクトシートという形で含まれている。その内容は、道路、橋、トンネル、鉄道の再整備やブロードバンドの拡大に今後10年で2,000億ドルの公的資金を連邦政府が直接投入するとともに、州や市町村、民間セクタの投資を促すインセンティブ、規制による負担を減少する措置を組み合わせたもの。エレイン・チャオ運輸長官は、「インフラ・プロジェクトの規制、資金調達、進行、管理を長期的視野から改革することが目標」とし、今年後半にまとめられる見込みの包括的な法案を含め、今後さらに詳細を追加発表していくとしている。
民主党は、予算教書ではどのように財源を確保し、何に資金を割り当てるかについて全く具体的に説明されていないと批判。同党の上院院内総務を務めるチャック・シューマー議員は、「大統領の公約は道路や橋よりも早く崩壊している」と厳しく非難している。一方、上院商業委員会委員長を務める共和党のジョン・スーン議員は、この計画概要は国の重要なニーズを認識し、長期的な対策を提示するものだと評価。公的資金とともに民間からの投資を活用することが必要だと語っている。