2017.04.12
【米国】トランプ政権、ネット中立性規則廃止を目指す考え明らかに
ショーン・スパイサー大統領広報官は、3月30日の記者会見で、ネット中立性規則に言及。オバマ政権下でISPがコモンキャリアに分類されたことは、政府が市場の勝者・敗者を決める越権行為の一例であるとし、トランプ大統領は同規則の廃止を目指す方針だと語った。連邦議会では、FCCが昨年10月に策定したブロードバンド・プライバシー規則を「Congressional Review Act(CRA)」に基づき廃止する決議案が上下院で可決されており、FCCでもアジト・パイ新委員長がオバマ政権時代の規則の撤回・廃止に積極的な姿勢を見せている。しかしながら、2年前に採択されているネット中立性規則は、直近に採択された行政規則を簡略な手続で廃止できるCRAの適用対象ではなく、その廃止はブロードバンド・プライバシー規則ほど簡単にはいかない。また、ネット中立性規則は、案としての検討期間中に100万件以上のコメントを集め、その大半は規則を支持するものであったため、政治的にもこれを廃止するのは大きな難問となる。