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2017.03.22

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  • 英国

【英国】OfcomとBT、ローカルアクセス部門「オープンリーチ」の法的分離案で合意

 通信庁(Ofcom)は3月10日、BTのローカルアクセス部門「オープンリーチ」の「法的分離(legal separation)」案についてBTとの間で合意したと発表した。Ofcomは今回の合意の中で、Ofcomが有する競争上の懸念を払拭するために必要なすべての取組についてBTと合意したと評価し、もはやこれらの取組を実施するための規則は必要ないとしている。また、今後速やかに合意の詳細について公表するとともに、BTの新たなコミットメントが完全に実施されればオープンリーチをめぐるこれまでの公約(undertakings)からBTを解放する提案を行うとしている。さらに、BTの年金制度への影響を最小限に抑えつつ本合意を実施するため、現在BTの年金制度の加入している新たなオープンリーチ社員のために会社倒産時の国家保証制度(Crown Guarantee)が維持される必要があるとしている。今回の合意の内容は昨年11月の法的分離案に沿ったものであり、主な内容は以下のとおり。
 
*オープンリーチは独自の定款を持ち、BTグループ内において法的に完全に分社化される。オープンリーチは同社のすべての顧客の利益のために意思決定を行い、その成功のための取組を進める。
*新理事会はBTから独立した過半数の理事から構成され、新たなガバナンスに関する合意の下、オープンリーチの運営に完全に責任を持つ。
*オープンリーチは、BTグループ内の全体予算の中で、独自の戦略と年間事業計画を策定する。
*オープンリーチの代表理事(Chief Executive)は新理事会によって指名され、新理事会に対して責任を持つ。BTグループは、Ofcomに対する通知を行った場合に限り、代表理事の指名について拒否権を有する。代表理事は他の理事に指名について責任を持ち、オープンリーチ会長に対して報告する。また、BTの代表理事に対して、必要な法律上・信託上・規制上の義務の範囲内で二次的責任を有する。
*新理事会はBTから移籍する32,000名すべての社員を直接雇用する。これによってオープンリーチは独自の組織文化を形成することができる。
*オープンリーチは物理的なアクセスネットワーク等の必要な資産を管理する。新理事会は資産の形成・維持に関して意思決定を行う。BTはこれらの資産の所有権は維持するが、形成・維持の権限はオープンリーチに移譲する。
*オープンリーチは、大規模な投資に関してSkyやTalkTalk、Vodafoneといった顧客から公式に意見を聞かなければならない。また、顧客情報の一層の保護とともにBTグループに公開されることのない顧客との議論の場など秘匿性(confidentiality)を確保する。
*今回の合意を反映し、オープンリーチの更なる独立性を確保するために、BTはオープンリーチのブランディングから分離される。

 本件に関し、Ofcomのシャロン・ホワイト長官は「新しいオープンリーチはすべての顧客を平等に扱い、BTだけでなくすべての産業のために真に独立して行動し投資の意思決定を行うことになる。OfcomはBTの今回の決定を歓迎し、引き続きすべての電気通信事業者によって提供されるサービスの品質改善のために努力するとともに、新しいオープンリーチの行動をモニターしていく」と述べている。なお、BTの今回の合意の中にはオープンリーチが展開していない北アイルランドにおけるBTの役割についても含まれており、今回の合意内容はBT北アイルランドにも適用されることになるとしている。