2017.02.03
【英国】首相官邸、近代産業戦略策定に向けたグリーンペーパーを発表
首相官邸は1月22日、先週発表したEU離脱に関する政府の方針を示した「プラン・ブリテン」に続き、英国の強みを生かしながら、競争力のあるグローバルな国家として将来を確かなものにすることを目的とした「近代産業戦略」策定に向け、グリーンペーパー(議論を開始するための提案書)を発表した。プラン・ブリテンでは、EU離脱プロセスにおいて確実性と明確性の確保、EU離脱後に自国で入国管理を行い、自由貿易を推進すること、また、段階的な離脱プロセスを提案することなどが発表されたが、今回のグリーンペーパーは、同プランの根幹を成す重要な産業戦略となる。政府は、同戦略策定にあたって10の戦略的支柱を示し、今後産業セクターごとに、どのような課題と好機があるのかを明確に割り出し、それに対して規制や貿易、投資等において、政府がどのように各産業界を支援することができるかについて、一連の提案を行っている。その中で示された10の戦略的支柱は以下のとおり。なお、同提案に対する意見は4月17日に締め切られる。
1)科学、研究、イノベーションに対する投資
2)技能の開発:STEM(科学、テクノロジー、工学、数学)における技能の向上等
3)インフラのアップグレード:デジタル、エネルギー、運輸、水道、洪水防止に関連するインフラ等
4)ビジネスの支援:長期的投資を可能にする適正な条件づくり等
5)調達の改善:生産性と経済成長を支えるとともに、国内のサプライチェーンを発展させることができる政府による戦略的調達
6)貿易と対内投資の振興
7)無理なく買えるエネルギーとクリーンな成長:二酸化炭素低排出経済への移行等
8)世界でリーダー的立場に立てる産業セクターの育成
9)国全体における成長の推進
10)異なる産業セクターや場所をまとめる適切な組織の創設文化・メディア・スポーツ