2016.05.23
【米国】グーグル、AIツールをオープンソースで提供開始
グーグルは、5月12日、英語の構文を解析し文章の理解を支援する人工知能（AI）プログラム「Parsey McParseface」と、ソフトウェア・プログラミング用のツールキット「SyntaxNet」を誰もが自由に配布または修正できるようオープンソースでの提供を開始した。SyntaxNetは、機械が文章をその構成する要素に分解したり、単語とフレーズの関係を解読することを支援する。Parsey McParsefaceは、分解された文から、他のプログラムが検索等に利用できるように最も関連する単語を分析する。
グーグルが今回公開したこれらのプログラムは、検索や「Smart Reply」など複数の同社サービスで実際に使われており、情報リポジトリの「Knowledge Graph」でも用いられている。グーグルによると、Parsey McParsefaceは94％以上の正確さで文章中の単語同士の関係を理解するとのことで、同社で働いている言語学者の正確さはおよそ95％なので、人間のレベルに近づいていると言える。ただし、まだ全体の文脈を良く理解するための文同士の関係は分析できないことや、英語でしか利用できないこと、また、健康医療などの専門的な分野でうまく機能するかどうかなど、課題は残されている。