2014.08.12
【米国】スプリント、T-モバイル買収を断念--CEO交代を発表
ソフトバンク傘下の米携帯電話第3位スプリントは、8月6日、行政の強い反対を考慮し、T-モバイル買収を断念したことを明らかにした。今後は事業再建に専念するとの方針を発表した。ダン・ヘッセCEOが退任し、後任にソフトバンク子会社で米携帯電話卸売り大手ブライトスターのマルセロ・クラウレCEOが11日付で就任する。
ソフトバンクの孫正義会長は、新方針について「業界統合は競争力の強化、顧客の利益増につながるとの考えに変わりはないが、今後の主眼はスプリントを最も成功したキャリアにすること」と、当面は単独で歩みを進めていくことを示唆している。クラウレ氏は、ブライトスターで成功を収め、ソフトバンクが今年1月に同社経営権を買い取った後はスプリント役員にも就任していた。
トム・ウィーラーFCC委員長は、スプリントがT-モバイル買収を断念したとの知らせを歓迎。「全国事業者が4社存在するのは米国民にとって良いこと。スプリントは健全な市場競争に専念する機会を得た」と電子メールでの声明を発表している。T-モバイルに対しては、フランスのイリアドも7月末、総額150億ドル(約1兆5,267億円)で買収を提案したと表明。ただT-モバイルはイリアドの提案を拒否したとされる。