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　欧州委員会、欧州議会、欧州理事会は6月30日の三者協議において、EUにおけるネット中立性規則に関して合意に達したと発表した。この中で、電気通信事業者が有償で特定のコンテンツを優遇する「特定サービス」の提供を認めることとした。欧州委員会はこの合意について、EUのネット中立性規則は開放的なインターネット（Open Internet）を保障するとともに、開放的なインターネットへのアクセスを阻害しないという条件を満たす特定サービスあるいは画期的なサービスの提供を認めるとした。
　
　しかし、これは開放的インターネットとともに、特定のコンテンツを優遇する高速レーンが併存することを認めるもの。委員会は、「特定サービス」の認可は遠隔医療や自動運転車など一定の伝送品質確保が必要な画期的なサービスの登場を後押しするためとしているが、このようなサービスと従来のインターネット・サービスは同列に扱うべきではなく、一定の伝送品質を求めるサービスには専用の回線を設けるのが妥当と説明している。また、EUのネット中立性規則では、いわゆる「ゼロ・レーティング」（特定のアプリを利用するユーザに課金しない）も認めており、これが既存サービス事業者の有利な立場を増々強める可能性もある。EUのネット中立性規則は2016年4月より施行される。