2015.10.13
【欧州】欧州司法裁判所、EU・米国間の「セーフハーバー協定」を無効と判断
欧州司法裁判所（ECJ）は、10月6日、米国企業が欧州市民のデータを欧州から米国に伝送することを可能にしている「セーフハーバー協定」は、米国政府による通信監視が明らかになったために無効と化したとの判断を示した。
ECJは、米国企業が国家の安全保障や公益、司法当局からの要請などに鑑みて、協定で定められたプライバシー保護を廃する可能性があるため、欧州市民の個人情報を十分保護することはできないと指摘。これに基づき、欧州委員会が15年前に締結した協定は無効であると宣言した。同判断により、Facebookの個人情報保護のレベルが欧州規則に合致していないとしたマクシミリアン・シュレムス氏の訴えをアイルランドのデータ保護当局が却下していた件について、同局が検証することが求められる。なお、米国と欧州委員会との間で2000年に締結されたセーフハーバー協定は、IBM、グーグル、エリクソンといった4,000社以上により利用されている。