2014.06.03
【米国】米下院「国家安全保障局(NSA)改革法案」を可決
米下院は、5月22日、国家安全保障局(NSA)の通信監視プログラムを制限する「USA Freedom Act」法案を賛成303、反対121で可決した。同法案は、パトリオット法作成者である共和党のジム・センセンブレナー下院議員が提出したもので、オバマ大統領も支持する通信監視プログラム改革の多くを法制化し、通話記録の無差別収集にも実質的な終止符を打つ内容となっている。NSAは、民間企業が収集・保管する通信記録を閲覧する際には裁判所から令状を取得することが義務付けられ、FBIの安全保障書簡(NSL)使用などにも改正が施される。
しかし、採決前の協議で重要な部分が骨抜きにされたとの批判も出ており、フェイスブックやグーグルなどのテクノロジー企業、プライバシー保護団体等は同法案に対する支持を撤回している。さらに、下院に続いて同法案を審議する上院でも、司法委員会委員長を務める民主党のパトリック・レイヒー議員、同リチャード・ブルメンサール議員等が下院で可決された妥協案に懸念を示しており、限定的な改革を支持する民主党のダイアン・ファインスタイン議員等との厳しい駆け引きが予想される。