2013.10.02
【米国】AT&T、LTE Broadcastを利用した映像配信ネットワークを構築へ
AT&Tは9月24日、「LTE Broadcast」技術を利用したマルチキャスト・ネットワークを構築する計画を発表した。同ネットワークは、クアルコムとエリクソンが共同開発したeMBMS(Evolved Multimedia Broadcast Multicast Service)という技術と、700MHz帯の12MHz幅(DおよびEブロック)を利用する。同帯域は以前、クアルコムがFLO TVに利用していたもので、AT&Tが2011年に19億2,500万ドルで購入していた。計画を発表した同社のランドール・スティーブンソンCEOは、ネットワーク運用開始の具体的な予定日については言及しなかったが、3年先を目処にしていることは示唆した。
LTE Broadcastは、移動通信基地局を放送発信局とするもので、各基地局がそれぞれの周波数を使って異なるコンテンツを放送することはできるが、同一基地局内の端末は全て同じ放送を受信することになる。これは、スーパーボウル中継など数百万人が同じ放送を視聴するような場合には最適で、また、スタジアム内など物理的地域を限定した特別のコンテンツを配信することも可能となる。LTE Broadcastを利用したネットワークは、ベライゾンとテルストラでも導入を計画しているという。LTE Broadcastは、株価やスポーツスコア、ニュースのリアルタイム配信、加入制コンテンツ、アプリやOSのアップデート配信などにも利用できる。