2015.05.22
【ロシア】露中、サイバーセキュリティ合意に調印
ロシアと中国は5月8日、サイバーセキュリティ合意に調印した。合意内容によると、両国はお互いにサイバー攻撃を仕掛けないことを確認。「国内政治や社会経済状況を脅かす」「社会の秩序を乱す」あるいは「内政に干渉する」技術に共同で対応していくことも約束した。また、両国司法当局間での情報交換、技術交換、情報インフラのセキュリティ確保も行っていくという。専門家等は、これが露中の関係を強化し、将来的にサイバーセキュリティ分野で拘束力のある協力関係を築く基盤になり得ると見ている。
ウクライナ問題を巡って西欧諸国の制裁を受けるロシアは、重要インフラを欧米技術に頼る体制の見直しを進めており、アジアに目を向けるようになっている。ロシアでは、エドワード・スノーデン氏が米国の通信監視プログラムの内情を暴露して以来、インターネット規制強化を求める政治家が増え、プーチン大統領もインターネットを「CIAのプロジェクト」と呼び、主要なオンライン・インフラを国内に移すよう呼びかけている。今回の露中合意は、両国がインターネットの国際的ガバナンス体制変更に意欲的であることを改めて示すものともいえる。