2014.04.14
【欧州】欧州司法裁判所、通信事業者に加入者の通信データ保管義務付けた命令を無効化
EUの欧州司法裁判所は、4月8日、通信事業者にEU市民の通信データを最長2年にわたって保管することを義務付けた指令は無効との判断を下した。同指令は、マドリッド、ロンドンで公共輸送機関を狙った爆破事件が発生したことを受け、2006年3月に導入されたもので、組織犯罪、テロに対する司法当局の捜査や起訴を援助することが目的。同指令では、通信事業者が、トラフィック、位置情報等ユーザーを特定するためのデータを6~24か月間保管することを義務付けているが、通信の内容は保管の対象となっていない。同指令に対しオーストリアとアイルランドの法廷が、欧州連合基本権憲章に合致するかどうかの判断を欧州司法裁判所に求めていたが、同裁判所は今回、指令が基本的人権に多大かつ深刻な干渉を及ぼすとし、無効と宣言した。