2014.05.22
【欧州】欧州司法裁判所、「忘れられる権利」を支持
自身の名前をグーグルで検索すると、1998年に自宅を差し押さえられた際の新聞記事へのリンクが表示されるとしてスペインの男性がグーグルを訴えていた件で、欧州司法裁判所(ECJ)は検索エンジンに対して、検索結果から過剰な個人情報を削除するよう強制できるとの判断を示した。
プライバシー保護団体等は近年、インターネット上に個人が残した記録を削除できる「忘れられる権利」を主張するようになっており、今回の件も焦点となったのはこの権利。 ECJ判事団は、「検索の目的や時間経過に照らし合わせて不適切、あるいは過剰となったデータ」についてはグーグルに削除を義務付けることができるとした。
これに対してグーグルは、EU法務官が昨年、検索結果からの情報削除が言論の自由の侵害となるとの判断を示したことを挙げ、今回の判決はこの判断と大きく異なるものだと失望を表明している。グーグルはこの判決が及ぼす影響について検討する時間が必要としているが、これによりグーグルだけでなく、フェイスブックなどのインターネット事業者は技術的問題や新たな費用に直面することになる。