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一般財団法人マルチメディア振興センターでは、ICT分野の発展に資することを目的として、ICT分野の政策・制度整備、市場開拓・拡大、技術発展、社会での利活用といった視点からテーマを設定して、調査研究を行っています。主要な研究テーマについては、研究報告書としてとりまとめています。
各報告書は、販売もしておりますので、ご希望の方はこちらにご連絡ください。
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2018.10.01

  • 最新研究
  • 飯塚 留美

電波政策を巡る諸課題に関する調査研究
-5G時代の電波監理政策-

本研究の目的は、5G時代に求められる、新規性のある新たな電波利用産業の発展に機動的に資するような、電波監理政策のあり方について検討することにある。

5G時代の電波監理政策のあり方を、各国の電波監理政策の変遷や社会経済情勢、情報通信市場の成果などを比較しながらアカデミック・ベースで検討、欧州の著名な専門家によるワークショップでの議論や論考から、以下のような知見が得られた。
● 周波数割当て自体がボトルネックとなるため、多様な周波数アクセスを確保するためには、インフラ投資のインセンティブと、適切なアンバンドリング規制のバランスが重要。
●5Gでは、用途や需要、求められる性能によって、周波数の利用形態が多様化するため、ネットワークとサービス(アプリケーション)の分離が進むとともに、周波数共用も進むため、ネットワーク事業者どうしやサービス事業者との間の関係が課題。
●実験レベルでの共用の経験はあっても、商用レベルでの経験が不足しているために、周波数共用が遅々としか進まない要因となっている。共用促進のための規制上の工夫も必要。
●政策上の目的(カバレッジ拡大、競争促進、新市場創出など)が、周波数割当て方法にどのように影響してきたのかを検証することが、将来の電波監理制度を設計する重要であり、今後の課題。

これらを踏まえて、日本への示唆として、5G時代に向けた電波監理政策のあり方について以下の提言をまとめた。
【共用前提の免許制度】
5G免許を無線周波数の排他的な利用権とせずに、共用可能な形態の免許制度を検討する。
【電波割当の公平性】
制御波と搬送波と分かれた運用を行う際に、低い周波数帯の免許を持つ既存事業者が高い周波数帯の搬送波を有利な条件で利用することにつながらないような工夫が必要である。
【投資補助金】
周波数共用や5Gネットワークへの投資を促すため、免許制度での工夫に加え、補助金などの仕組みも検討すべきである。