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2025.09.02

  • 調査研究レポート
  • 米谷 南海

日本におけるスポーツ放映の実態
~スポーツ放映視聴弱者という新たな課題~

一般財団法人マルチメディア振興センター(FMMC)
調査研究部 上級研究員
米谷 南海


概要
2025年8月、米国の定額制動画配信サービスである「Netflix」がワールド・ベースボール・クラシック(WBC)2026年大会の日本国内における独占放映権を獲得したことが明らかになった。放送での中継は予定されていない。この発表は「大型スポーツイベントは無料で視聴できるもの」と考えてきた日本の視聴者に動揺を与え、一部試合の主催者である読売新聞社が非難とも受け取れる声明を発表するなど、社会的な反響を呼んだ。
もっとも、これは突発的な事象ではない。海外では既に数年前から動画配信事業者が主要スポーツイベントの独占放映権を獲得し、従来のテレビ放送に代わって中継を担う動きが進展してきた。今回の出来事は、その潮流が数年遅れて日本にも及んだものと理解すべきである。
本稿では、『ICTワールドレビュー(2025年1月)』に掲載された論考を抜粋及び一部改編する形で、日本におけるスポーツ放映の実態と、筆者が独自に実施したアンケート調査で明らかになった政策的課題について報告する。動画配信時代におけるスポーツ放映の在り方について、今後活発な議論が展開されることを期待しつつ、その一助となれば幸いである。

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