ブロードバンド普及を背景として、人びとはビデオゲームを自ら「プレイして楽しむ」だけでなく、他人のプレイを日常的に「見て楽しむ」ようにもなっている。ビデオゲームの競技大会を観戦したり、ゲームプレイ動画を視聴する人びとが世界中で増加する一方、ビデオゲームのプレイは「職業」「産業」にもなっている。本稿では、ビデオゲームを「見て楽しむ」というメディア利用行動である「eスポーツ」と「ゲーム実況」の歴史と人気の実態を説明する。また、メディアやコミュニケーション技術が人びとの関心と結びつく過程を調査研究することが、新しいメディア・サービスの展開を考える際に重要であることを示す。