一般財団法人マルチメディア振興センター（FMMC）
ロンドン事務所 リサーチャー ザボロフスキ 真幸
2019年4月、英国政府は、「オンライン上の違法有害情報白書（Online Harms White
Paper ）」を公表し、すべてのインターネット利用者が、メディア・リテラシーの知識とスキルを身につけ、オンライン上のリスクを管理し対処できるようにすべきであると表明した。また、2021年5月には、オンライン・プラットフォームに有害コンテンツへの対処を義務付ける新たな注意義務を導入することにより、こうしたリスクに対処し、ユーザーのオンライン上での安全を守るための世界最高水準の対策を導入する「オンライン安全性法案（Online Safety Bill ）の草案を発表した。しかし、政府は、規制によってユーザーが有害なものに触れるのを制限するだけでは、問題を解決することはできないとし、刻々と変化するインターネットの状況に個人が対応できるように、メディア・リテラシーの教育と意識向上への協調的かつ戦略的なアプローチを表した、「オンライン・メディア・リテラシー戦略（Online Media Literacy Strategy ）」を2021年7月に策定した。本稿ではパンデミックを機に在宅勤務、オンライン学習、かかりつけ医（GP）のオンライン診断、オンラインショッピング等、オンラインを利用する機会が著しく増加した今、高まるメディア・リテラシーへの重要性、英国政府、企業等の取組みを紹介する。
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