昨年から我が国でもFinTechへの関心が急速に高まり、新サービス発掘や、関連産業促進のための環境整備に向けた動きが活発化している。先行する海外事例として、主に、米国のビジネスモデル、英国のFinTech育成戦略、中国ベンチャーの動向が挙げられてきたが、さらに、2015年から国を挙げたFinTech産業育成に乗り出した韓国の迅速な動きに注目する必要がある。韓国では現在、大規模規制緩和とベンチャー支援を同時に進めている。その結果、政府肝いりのFinTech支援センター開設、FinTech関連起業の急増、年内には国内初のネット専業銀行誕生、ロボ・アドバイザー導入ブーム等、この1年間の韓国FinTech分野の動きは目覚ましい。そして、2016年の韓国FinTechの三大トレンドは、ロボ・アドバイザー、ビッグデータ活用、海外展開、という方向性が明確に打ち出されている。FinTech分野での追い上げを図る我が国にとって、政策的梃入れを図る韓国のFinTech産業の今後の展開から目が離せない。