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2014.06.30

  • リサーチレポート
  • 黒川 綾子

フリー・モバイルの2013-2014年の仏移動体通信市場への影響

執筆者

情報通信研究部

上席研究員黒川 綾子

 本稿では、2012年のフリー・モバイルの参入が、2013-2014年の仏移動体通信市場に及ぼしている影響を概観する。2012年1月、仏移動体通信市場に16年ぶりの新規参入を果たした同社は、徹底した低料金戦略で、参入後2年足らずで市場シェアの10%超を得た。同社の攻勢に応じて既存3社も類似の低料金プランをサービスの中心に置かざるを得なくなった。この結果、各社の売上高は低下を続け、市場第2位のシェアを持つSFRは外資系ケーブル事業者ニュメリカブルに吸収合併されることになった。仏政府は、過剰な競争が通信事業者のインフラ投資資金を減少させることと、外資の参入による仏ICT産業の国際競争力低下を危惧し、フリーの「ネットワーク事業者」としての義務の順守状況の監督強化、既存事業者間の合併による重複インフラのフリーへの再販等を計画、同社がネットワークの維持拡張に注力することで、料金引下げ競争が緩和されることを望んでいる。