これまで、日本や韓国のように、3Gが全携帯電話の90%以上を占めている国は、世界的に見てまれであったが、
近年のスマートフォンブームに伴って、3Gの普及率が世界的に上昇してきている。
携帯電話加入数に占める3G比率(以下、3G普及率)は、韓国が99.3%と最も高く、次いで日本が98.6%と続き、
その後をカナダ(90.7%)、米国(74.9%)、オーストラリア(67.3%)などの北米勢やオセアニア勢の追い上げが
顕著になっている(2010年第4四半期現在)。
一方、欧州勢では、3G普及率は、スウェーデンが最も高く61.9%で、次いでポーランド(52.5%)、
ノルウェー及びフィンランド(50.8%)と続いている。
しかし、英国、ドイツ、フランスの主要3か国の3G普及率は、依然として50%を下回っている。
アップルが、2011年10月5日に、iPhoneの最新機種であるiPhone 4Sを、日本、米国、カナダ、オーストラリア、英国、
フランス、ドイツの7か国で、10月14日から発売することを発表したが、これら7か国のうちの4か国(日本、北米勢、
オーストラリア)が、世界の3G普及率上位10位以内にランクインしている、3G高普及率国となっている。
世界の3G普及率(2010年第4四半期)
注記: 3GはWCDMAとCDMAの合計値
出所: 各種資料より作成
iPhone人気に代表されるように、近年のスマートフォンの普及に伴って、モバイルアプリケーション利用が急速に拡大している。
そのため、モバイルデータトラフィック量が飛躍的に急増し、回線容量を拡充するためにLTEの導入を急ぐモバイルキャリアも増えている。
LTEを推進する大きな理由は、低コストで回線容量を拡充することにあり、EDGE(Enhanced Data rates for GSM Evolution)や3Gよりも、
1Mbps当たりの設備投資コストが相対的に安いとされている。そのため、3Gを導入せずに、2Gから一足飛びにLTEを導入するというモバイルキャリアも現れている。
世界で最初にLTEの商用化を実現したのは、スウェーデンのテリアソネラで、2009年12月15日に、スウェーデンとノルウェーで商用サービスを開始した。
その後、2010年12月5日に、米国のベライゾン・ワイヤレスがLTE商用サービスを開始したのを契機に、LTEへの世界的な移行が進展しつつある。
AT&Tは、当初計画を前倒しし、LTE商用サービスを、2011年9月18日に開始している。
2011年第2四半期現在、世界16か国で24のモバイルキャリアが、LTEの商用サービスを開始している。
また、現在、60か国以上の160以上のモバイルキャリアが、LTE網構築に向けた投資を実施していることから、2012年末までには、
少なくとも90以上のモバイルキャリアが、LTE商用サービスを開始すると見られている。
世界のLTE導入状況(2011年第2四半期)
出所: 各種資料より作成