ITU協会の「2012年情報社会指標」では、世界各国でのICTサービスの入手可能性を測る基準の一つとして、IPB(ICT Price Basket)の国際比較が示されている。IPBは、固定電話、携帯電話、固定ブロードバンドの標準的なサービス価格の国民一人当たり所得の平均に占めるパーセンテージで示される。
世界全体でのIPBは、2008~2011年の間に約30%低下しているが、先進地域と途上地域の格差の解消は見られず、途上地域での値はなお先進地域の10倍近い。
IPBの推移
出所:ITU「Measuring Information Society 2012」より作成
加盟国間の比較でみると、IPBが世界平均を下回る国は、南太平洋あるいはサブサハラ・アフリカに集中している。これらの国々では、近年の携帯電話の急速な普及の反面、固定ブロードバンドの普及が遅れているのが特徴で、固定サービスと移動サービスのIPBの差が10倍以上になる国もある。
一方で先進地域では、サービス分野間のIPBの差は非常に小さく、北欧諸国等ではすべて1.0以下に収まっている。日本はIPB世界ランキングでは第25位であるが、固定ブロードバンドの価格が比較的低い(0.7)に比べ、携帯サービス価格が先進地域の中では高め(1.4)なのが特徴である。
IPB各国比較
出所:ITU「Measuring Information Society 2012」より作成