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2013.01

世界の地上デジタルテレビ放送-西欧を中心にアナログ放送からの移行が進む-

地上デジタル放送は、陸上での放送無線局のデジタル化により、周波数利用の効率化を図る目的で、2000年前後から世界の各国で導入が開始された。日本では2003年末に導入が始まり、2011年7月には全国44の都道府県でアナログ放送からの移行が完了した。なお、東日本大震災被災地の岩手、宮城、福島の3県では2012年3月末までに延長された。

地上デジタル放送の導入にあたっては、放送方式の選択、対応周波数帯の決定及び事業者への割当、一般家庭の受像機の変換等、様々な課題があり、放送開始から移行の完了まで、10年以上を要した国もある。放送方式には大きく分けてATSC(米国、カナダ、韓国等)、ISDB-T(日本が開発。日本のほか南米諸国やフィリピン等)、DVB-T(発展形のDVB-T2も含め欧州、東南アジア、中東、アフリカ諸国)、DTMB(中国独自の方式)の4通りがある。

2012年末現在、下図の国がそれぞれの方式でテレビ放送の完全デジタル化を達成している。アナログ放送からの移行で生じた空き周波数については、多くの国がモバイル・ブロードバンド・サービスの増加を見越して第4世代携帯電話サービス向けの割当を行っている。

図1
出所:ITU及び各国資料

また、以下の国ではデジタル放送サービスが既に開始され、おおむね2013年~2015年にアナログ放送を停止するとされている。

図1
出所:ITU及び各国資料

その他の国も、北朝鮮等の数か国を除いて放送方式を既に決定し、既にサービスを開始した国と同時期に移行の目標を掲げている。しかし、各国事情によりサービス開始の見通しは大幅に異なっており、どれだけの国が国際電気通信連合(ITU)の設定目標である2015年までに移行を達成できるかは未知数である。