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2013.03

世界のモバイル・サービス普及 -モバイル・ブロードバンドの伸長が料金面で難しい地域も-

2012年までの世界全体の各種ICTサービス普及の推移を見ると、固定サービスは横ばい、あるいは微減であるが、移動電話の伸びが著しい。これに伴ってモバイル・ブロードバンドの利用も進みつつあり、2009年には固定ブロードバンドを超え、特に固定インフラの整備が困難な途上地域での伸びが期待されている。

ICTサービス普及の推移
ICTサービス普及の推移
出所:ITU World Telecommunication/ ICT Indicators databaseより作成。

ITUが2013年2月に発行した「ICT Facts & Figures」では、2010年からのモバイル・ブロードバンドの伸長率は年平均40%であり、この傾向が2013年も継続すれば、年末には世界のモバイル・ブロードバンド普及率が平均30%、途上地域でも20%に達すると予測している。近年は途上地域でもほとんどの国で3Gの導入が進みつつあり、主要事業者はブロードバンド接続可能な契約プランを提供している。
しかしながら、固定電話加入者の半数以上がブロードバンド・サービスにも加入しているのに対し、移動電話加入に占めるモバイル・ブロードバンド加入の割合はまだ1割程度である。地域別の普及率のばらつきも激しく、最高の欧州が約50%であるのに対し、最低のアフリカではまだ7%に過ぎない。

モバイル・サービス普及率地域比較(2012年推計)
モバイル・サービス普及率地域比較(2012年推計)
出所:ITU World Telecommunication/ ICT Indicators databaseより作成。

モバイル・ブロードバンドの途上地域での普及を妨げている要因として、上記の「ICT Fact & Figures」では、料金の問題が挙げられている。このレポートに記載されたモバイル・ブロードバンド利用料金比較によれば、欧州ではデータ利用量500MBあたりのサービス料金が、国民総所得(GNI)の一人当たり平均の約1%であるのに対して、アフリカでは30%を超え、入手が難しい人々が大多数である。その他の地域では、プリペイドでの料金はやや割高の5%台であるが、アラブ及びアジア・太平洋でのポストペイドサービスでは2.2%及び3.5%と比較的利用しやすい価格に達している。