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2013.09

世界のモバイル・ブロードバンド普及率 -途上国ではまだネットワークの未整備と高料金が課題-

ITUによれば、2012年に世界の移動体通信サービスの普及率平均は90%に近づいている。それに伴ってモバイル・ブロードバンド市場も順調な成長が続き、2012年末の普及率平均は20%を超えたと推定されている。特に途上国では、従来有線インフラの不備からICTサービスにアクセスできなかった人々に対するインターネット利用提供手段として、モバイル・ブロードバンドが注目されている。実際、アフリカ等では、ブロードバンド加入の90%以上がモバイル経由という国が珍しくない。

しかしながら、下図のように国別でモバイル・ブロードバンド普及率を見た場合、固定ブロードバンドと同様に、欧米あるいは極東の数国が突出し、いわゆる途上国では加入が進まないという傾向が顕著に見てとれる。

世界各国のモバイル・ブロードバンド普及率
世界各国のモバイル・ブロードバンド普及率
出所:ITU統計

その理由としては、3Gネットワークの未整備と高額なサービス料金が挙げられる。アフリカや中米等、高度サービス利用が進まない地域でも、大半の国で既に3Gが導入されており、一部ではLTEサービスも開始されている。とはいえ、カバー地域がまだ大都市に限られており、人口の半分以上が居住するルーラル地域では、まだ通話+SMS以外のサービス利用が難しい。加えて、これらの国々ではほとんどの加入者がプリペイド・サービスを利用しているが、プリペイドではインターネット接続を利用できる契約プランが少ない。ポストペイドでもインターネット接続は従量制で、オプション料金も通話の数倍に達する例が多いのが問題である。

ITUでは2013年初めの「ICT Fact and Figures」で既にこの問題を取り上げており、先進国では月平均収入の1%程度のモバイル・ブロードバンド利用料金が、途上国では10%以上、地域によっては30%を超えることが普及のネックであると指摘している。