2014年4月、世界経済を代表する1,000余りの法人から構成される非営利組織「世界経済フォーラム(World Economic Forum:WEF)は、「グローバル情報技術報告書」(The Global Information Technology Report)の2014年版を発行した。この報告書は、新聞等では、「ICT競争力ランキング」と評され、世界の約150か国を対象に、各国の情報技術体制に基づいた競争力が評価されている。
この評価は、以下の4分野の10項目につき、世界のビジネスリーダーへのアンケート結果を1~7の範囲のスコアで数値化し、分類、ランク付けすることで行われる。
・ 環境(Environment)
1. 規制環境(Political and regulatory environment)
2. ビジネス・イノベーション環境(Business and innovation environment)
・ 利用可能性(Readiness)
3. インフラ・デジタルコンテンツ(Infrastructure and digital content)
4. 通信料金(Affordability)
5. スキル(Skills)
・ 利用(Usage)
6. 個人利用(Individual Usage)
7. ビジネス利用(Business Usage)
8. 電子政府(Government Usage)
・ 影響力(Impact)
9. 経済的影響力(Economic Impacts)
10. 社会的影響力(Social Impacts)
総合評価は、「ネットワーク成熟度指数(NRI)」と呼ばれ、この数年間の上位はほぼ北欧諸国が占めている。2014年の日本の順位は16位で、2013年の21位より上昇したものの、なお10位内には手が届かない状況である。
表:2014年のNRI上位10か国
順位 |
国名 |
評価指数 |
2013年順位 |
1 |
フィンランド |
6.04 |
1 |
2 |
シンガポール |
5.97 |
2 |
3 |
スウェーデン |
5.93 |
3 |
4 |
オランダ |
5.79 |
4 |
5 |
ノルウェー |
5.70 |
5 |
6 |
スイス |
5.62 |
6 |
7 |
米国 |
5.61 |
9 |
8 |
香港 |
5.60 |
14 |
9 |
英国 |
5.54 |
7 |
10 |
韓国 |
5.54 |
11 |
|
16 |
日本 |
5.41 |
21 |
出所:WEF「The Global Information Technology Report 2014」