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2014.10

ソーシャル・ネットワーク・サービスの普及率国際比較-人口に占めるインターネットユーザの割合とほぼ平行-

2000年代の前半に米国で開始されたソーシャル・ネットワーク・サービス(SNS)は、2010年前後のFacebookやTwitterの登場から、主に欧米と東アジアで急速に普及した。これらの地域では、Facebookを中心に政府系サイトが一般との情報交換にSNSを利用する例も多く、また企業によってはSNSを電子メールに代わる社内通信手段としている。また、2010年~2012年の「アラブの春」では、SNSが革新勢力の主要連絡手段として用いられ、いわゆるネット先進国以外の地域でも、利用の伸びが注目されている。

2014年9月にITUから刊行された「The State of Broadband 2014」では、2014年初めの世界のSNSユーザ数を約19億、インターネットユーザ全体の40%と推定している。ただし利用者の国・地域によるばらつきはやはり激しく、一般に住民に占めるインターネットユーザの割合が高い国では、インターネットユーザに占めるSNS利用者の割合も高い。
下図にある数か国で住民100人あたりのネットユーザ割合を見てみると、カナダ:85.8、米国:84.2、ロシア:61.4、中国:46.3、メキシコ:43.5等であり、まずネット利用の広がりがなければ、利用者間でのSNS利用も進まないことが明らかである。

インターネットユーザに占めるSNSサービス利用者の割合(2014年1月)
インターネットユーザに占めるSNSサービス利用者の割合(2014年1月)
出所:ITU「The State of Broadband 2014」

近年はモバイル端末上でのSNS利用環境も整備されており、途上国ではモバイル・ブロードバンドの普及とともにSNS利用の伸びも期待されている。ただし、これらの国々では、若年層を中心にネット利用に対する需要は高まっているものの、経済的事情でインターネット利用契約やスマートフォン入手が難しい人々も多い。SNSのような個人を中心とするサービスの利用が広範に普及するには、まだ時間が必要といえそうである。