国際電気通信連合（ITU）によるブロードバンド普及率統計では、世界のどの地域でも、2010年以降は固定の数値は横ばいであり、モバイルの普及がこの数年で急上昇している。3Gのカバレッジ拡大とLTEの導入が世界のどの地域でも順調に進み、スマートフォンの出荷台数がモバイル端末全体の半数以上となったこともあり、この傾向は今後一層顕著になると思われる。
表 世界各地域のブロードバンド普及率の推移
出所：ITU統計
2014-2015年まで、モバイル・ブロードバンドの普及率の地域別順位は、固定ブロードバンドとほぼ同一であったが、中南米、アラブ（北部アフリカのイスラム圏を含む）、アジア諸国等では、高度モバイル・サービスの導入が著しく、米州は欧州を凌駕する勢いを見せている。アフリカ諸国については、従来固定インフラが整備されていないことから、初めて使用する情報端末が携帯電話という人々も多く、モバイル・ブロードバンドへの期待は高い。料金等の関係から、高度サービスの普及は他の地域に遅れているが、安価なスマートフォンの導入や、料金体系の改革もあり、今後はこの地域でも、モバイル・ブロードバンド利用層は広がっていくと考えられる。