国際電気通信連合(ITU)が2016年11月に公表した世界の情報通信環境に関する年次報告書「Measuring Information Society Report」に掲載されている携帯電話利用料金の動向によると、サービス利用料金の改善により全体として低下傾向にあることが示されている。国別では、マカオ(中国)、オーストリア、シンガポール、香港(中国)、アラブ首長国連邦といった所得の高い国がランキングの上位を占める一方、エストニアやリトアニアといった比較的所得の低い国も上位に食い込んでいる。ランキング上位の国の共通点として、いずれも携帯電話の普及率が135%を超えているという特徴が見られる。
表 携帯電話利用料金ランキング
順位 |
国名 |
1人当たりの国民総所得に占める割合(%) |
料金(米ドル)
|
1 |
マカオ(中国) |
0.09 |
5.68 |
2 |
オーストリア |
0.16 |
6.69 |
3 |
シンガポール |
0.17 |
7.96 |
4 |
香港(中国) |
0.18 |
6.02 |
5 |
アラブ首長国連邦 |
0.18 |
6.70 |
6 |
ノルウェー |
0.21 |
18.11 |
7 |
エストニア |
0.21 |
3.33 |
8 |
スウェーデン |
0.23 |
11.74 |
9 |
カタール |
0.24 |
18.68 |
10 |
リトアニア |
0.25 |
3.22 |
|
50 |
日本 |
0.84 |
29.44 |
出所:ITU「Measuring the Information Society 2016」
※料金は1か月あたり30回の通話と100通のSMSのプリペイド利用にかかる料金を基準に算出。なお、プリペイド契約が2%以下の国についてはポストペイドの料金で算出
後発開発途上国の中ではブータン、バングラデシュ、ミャンマーのように、1人当たりの国民総所得に占める携帯電話利用料金の割合が2%以下となった国も見受けられる一方で、ランキングに掲載された184か国中47か国は依然として5%を超えている。