2026.11
欧州委員会、データセンターの共通格付け制度を提案

欧州委員会は2026年9月、データセンターのエネルギー及び水資源の利用実態に関する透明性を高め、欧州のエネルギー網への持続可能な統合を促進するための新たな共通格付け制度を提案した。EUでは、すでに特定製品に対するエネルギーラベルに関する改正規則が2021年から適用されており、データセンターを対象とした同様の制度が導入される形になる。
EUは、今後5~7年間でデータセンター容量を3倍にする方針を掲げており、電力消費の急増や、送電網及び水資源への負荷、二酸化炭素の排出増加といった環境課題への対応が喫緊の課題となっている。同制度は、設備容量が500kW以上の大型施設を対象とし、サステナビリティラベルの表示を義務化。サステナビリティラベルの評価段階はAからGまでの7段階で、電力使用効率と水使用効率でそれぞれ基準値が設定されている。
共通格付け制度を定める委任規則案は、欧州議会とEU理事会による2か月間の審議期間を経て発効し、2027年には最初のサステナビリティラベルが付与される見通し。2028年末までには制度の見直しも予定されている。
欧州委員会はあわせて、域内データセンターの最低性能基準の策定に向けた公開諮問も開始し、同基準制度案を2027年第2四半期までに公表するとしている。
同制度に対しては、政党及び業界団体からも意見が出ている。欧州議会の会派である緑の党・欧州自由連盟は同日に意見を公表。データセンターブームが引き起こす環境負荷と消費者への経済的負担増の問題を指摘し、同制度の必要性を高く評価した。他方、米国テック企業等が加盟するコンピュータ通信産業協会(CCIA Europe)も同日に意見を公表し、新たな共通格付け制度が提示する手法はデータセンターの技術的・地理的要因に対する考慮が不足しており、制度の信頼性を損なっていると批判。その結果、データセンターへの投資を域外へと追いやり、欧州の競争力と環境目標の両方を損なう恐れがあると指摘している。