2026.07
アジア太平洋地域のオンライン詐欺被害額は2年で3倍増の年間1,141億ドル

2026年7月、国連薬物・犯罪事務所(United Nations Office on Drugs and Crime:UNODC)が発表した報告書では、2025年のアジア太平洋地域のオンライン詐欺の被害額は1,141億ドルに上るとされた。この額は2023年の3倍にあたり、分野別では投資関連の詐欺が最大で、883億ドルと分類されている。AI活用によって多言語対応が容易になり、被害と犯罪ネットワークの展開がグローバル化している。
東南アジア、特に治安の不安定なミャンマーとカンボジアが、拠点になっているとされ、暗号資産/仮想通貨投資からロマンス詐欺まで各種多様な詐欺が展開されている。この地域で被害を多く出しているのは被害届で確認できる額が51億ドルの中国、35億ドルの韓国とされている(日本は22億ドル)。また、取締りの強化によって、拠点は東チモールや太平洋島しょ国に移転しつつあるとされる。
オンライン詐欺は、これまでの薬物等の国際的な犯罪ネットワークの新たな活動ともなっており、各国は国際機関や2国間による対応を進めている。ASEANとしては、国際機関として、この事案をオンライン詐欺ではなく、越境組織犯罪・人身取引・マネーロンダリング・サイバー犯罪が融合した安全保障課題として扱っている。国境紛争時にはタイがカンボジアの詐欺センターとされるビルを空爆するなど、手荒な解決法も取られており、国際的な調整は重要である。