[HTML]
H1

詳細ページ

お知らせ表示

2026.07

  • ドイツ
  • 放送・メディア
  • 注目のICTトピック
ZAK、GoogleとPerplexityのAIサービスをメディア規制の対象と判断
ドイツのメディア規制当局(Kommission für Zulassung und Aufsicht:ZAK)は2026年7月14日、Googleの「AI Overviews」(AIが生成した概要情報を提供する検索機能)と、「Perplexity」(AIニュース検索機能を備えたAIチャットボット)に対し、ドイツのメディア法(Medienstaatsvertrag:MStV)を適用するとの判断を示した(注1)。これは、生成AIサービスを既存のメディア規制の枠組みに組み込む欧州初の重要な事例とみられている。
 
規制当局は、これらのAIサービスが単に情報を仲介するだけでなく、AIが独自に回答を生成し、さらにリンクの選択や表示順位を通じて利用者が接する情報に影響を与えていることから、「コンテンツ提供者」として一定の責任を負うべきだと判断した。そのため、「デジタルサービス法(DSA)」が定める仲介事業者向けの責任免除については、原則として適用されない可能性があるとの見解を示した。
 
特にGoogleのAI Overviewsについては、AI生成の要約が検索結果の最上部に表示されることで、従来のウェブサイトへのリンクの視認性を低下させ、他のコンテンツを不当に不利な立場に置くおそれがあると指摘された。また、Perplexityのようなサービスも、参照元リンクや推奨記事を提示することで利用者の情報発見を誘導しており、メディアの多様性を確保する観点から規制対象となり得るとされた。
 
規制当局が引用した研究では、生成AIによる回答が従来の検索結果を代替することで、ニュースサイトなどオリジナルの情報提供者へのアクセスが18%から50%以上減少する可能性が示されている。こうした状況は報道機関の収益モデルに影響を及ぼし、メディアの多様性を損なう懸念がある。一方で、AIによる要約には、複数の情報源を分かりやすく整理して提示する利点もあると指摘されている。
 
今回の判断は、AI検索サービスに対して透明性の確保、情報源の明示、ランキング基準の説明、公平なコンテンツの取り扱いなどを求める方向性を示すものであり、今後の欧州における生成AI規制の先例となる可能性がある。
 
なお、この決定に対してGoogleとPerplexityは法的な不服申し立てを行うことができる。
 
(注1)
https://www.die-medienanstalten.de/presse/pressemitteilungen/zak-bescheide-ki-angebote-google-perplexity/