2026.06
「TAKE IT DOWN Act」全面施行、AI性的ディープフェイク等を48時間で削除義務化

2026年5月19日、ソーシャルメディアプラットフォーム等に対して、通報を受けてから48時間以内にAIディープフェイク等を含む非同意性的画像(non-consensual intimate imagery:NCII)の削除を義務付ける枠組みが確立した。
これは、「ウェブサイト及びネットワーク上の技術的ディープフェイクを無力化することにより既知の悪用に対処する措置に関する法律(Tools to Address Known Exploitation by Immobilizing Technological Deepfakes on Websites and Networks Act:TAKE IT DOWN Act)」の成立から1年が経過して、これら要件を義務付ける規定が発効したことによるもの。
同法は、AI生成やデジタル加工による性的画像の拡散が急増している状況を懸念して成立した経緯があり、今回発効した規定は、ソーシャルメディアやメッセージングアプリ、画像・動画共有アプリといったオンラインプラットフォームに対して、①消費者がプラットフォーム上の同意のない性的な視覚的描写について通報するための手続きを設けること、②通報を受けた後48時間以内に当該描写及び既知の同一複製物を削除することを義務付ける。
連邦取引委員会(FTC)は、この通報及び削除の手続きの執行を担当し、消費者が有効なNCII削除要請に対応しなかったプラットフォームに関する苦情を提出できるウェブサイト「TakeItDown.ftc.gov」を立ち上げた。このサイトでは、NCIIの削除を求めるための手続きを作成しなかったプラットフォームに関する苦情も受け付ける。
FTCは、また、同意なく自身の性的画像がオンラインに掲載された場合に消費者を支援する新たなガイダンスや、事業者が法令遵守を確保する方法に関するガイダンスも公表している。
こうした取組みの一環として、FTCアンドリュー・ファーガソン委員長は5月11日、主要プラットフォーム事業者に書簡を送付し、期日までに同法に完全に適合する義務について周知を行っている。これらプラットフォームには、Alphabet、Amazon、Apple、Automattic、Bumble、Discord、Match Group、Meta、Microsoft、Pinterest、Reddit、SmugMug、Snapchat、TikTok、Xが含まれる。
さらに、FTCは5月20日、主要プラットフォーム事業者12社に対して警告する書簡を送付し、これらプラットフォームが同法に違反して、通報と削除の手続き構築に失敗している可能性を指摘、直ちに現状を是正する措置を講じるよう求めた。
FTCによると、同法違反はFTC規則への違反として扱われ、当該プラットフォームはFTCによる執行措置の対象となり、違反1件当たり最大5万3,088ドルの民事罰が科される可能性がある。