2026.04
- 韓国
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韓国のAIデータセンター整備動向

世界AI 3強国入りを目指す韓国では、AI強化戦略の要としてAIインフラ整備の政策支援を拡大している。主なAIインフラ整備支援策として、政府によるGPU大量調達、データセンター(DC)投資促進、国産AI半導体開発支援、国産AIモデル開発支援がある。李在明政権下で発表された「大韓民国AI行動計画」では、まず、GPUと国産AI半導体を土台に大規模DCをバランスよく拡充し、ホワイトハッカーを活用するセキュリティ点検システムを導入するなどコンピューティング・データ・セキュリティを完備したAI高速道路を構築する。このうち、今回は大規模AIデータセンター(AIDC)整備動向について紹介する。
これまで韓国内のDC規模は総じて小さかったことから、現在、通信事業者やITサービス企業が大型AIDC構築を進めている。2025年秋時点で国内約180か所のDCが運用されており、うち商業DCは約80か所。我が国と同様、DCの多くが首都圏に集中しているため、政策的にDCの地方分散を図っている。国土南西部に位置する全羅南道がAIDC誘致に積極的であり、同地域でのAIDCクラスター化が進められている。
大手IT企業グループもAIDC整備加速化と同時に、AIDCソリューションの海外展開にも乗り出している。LGグループはグループ各社の総力を結集したAIDC戦略として「Beyond AI-Ready AIDC」をMWC2026で発表。SKグループはアマゾンウェブサービス(AWS)と組んで蔚山に100MW級AIDCを構築中。グローバルハイパースケーラーと組んだAIDC構築計画も急速に増えている。2025年に米OpenAIはSKグループ、サムスンと国内AIDC構築協力で提携している。
韓国ではAIDC整備にあたり、DCの地域分散、電力供給、地域住民との葛藤といった日本と同じ課題も抱える。AIDC整備に向けて、韓国政府は今年AIDC振興特別法も制定する方針。AIDC整備と同時に課題への取り組みも今後注視していきたい。