2026.04
イラン情勢緊迫化、米テクノロジー企業が攻撃対象に

2月28日、米国とイスラエルがイランに対して大規模空爆を実施し、イランが報復に踏み切ったことで、事態は地域紛争へと発展した。これに伴い、中東諸国にデータセンター等のインフラを展開する米国テクノロジー企業が攻撃対象となっている。
イラン革命防衛隊(IRGC)は3月10日、米国企業7社が湾岸諸国やイスラエルに保有する29施設を攻撃対象とする方針を表明した。更に同月31日には、米国及びイスラエルの軍事作戦で幹部が殺害されたことへの報復として、テクノロジー企業18社(注)を新たに「正当な標的」に指定し、4月1日午後8時以降、幹部が殺害されるたびに関連施設への攻撃を実施する可能性を示唆した。こうしたなか、実際の攻撃の有無や被害状況に関心が集まっている。
4月2日には、バーレーンのAmazon.com及びUAEドバイ首長国のオラクルのデータセンターを攻撃したとする声明が出されたが、ドバイ当局はこれを否定し、Amazon.comも「現時点で共有できる新たな情報はない」としていることから、IRGC側の主張の真偽は確認されていない。他方、3月2日にはバーレーンとUAEにあるAmazon.comのデータセンター3拠点がドローン攻撃を受け、AWSのクラウドサービス提供に一部影響が生じるなど、インフラが実際に攻撃対象となっている兆候もみられる。
こうした状況を受け、米国のテクノロジー企業は、中東に展開する資産の防護やサプライチェーンの分断、インフラ毀損といったリスクへの対応を迫られている。CNBCの報道によれば、各社はロビー活動を通じて米国政府への働きかけを強化し、政策支援の確保や有事対応体制の整備を進めている。
(注)IRGCが標的に指定したテクノロジー企業18社:NVIDIA、アップル、マイクロソフト、グーグル、シスコ、HP、インテル、オラクル、IBM、デル、パランティア、JPモルガン、テスラ、GE、スパイア・ソリューションズ、ボーイング、G42。