2026.03
国有中央企業による「AI+」特別行動、製造業のAI利活用をけん引

国務院国有資産監督管理委員会は2026年2月、製造業を中心とした国有中央企業に対し、大規模設備更新を契機としてデジタル化および「AI+」特別行動の実施を求めた。これにより、インテリジェント化改造とDXを加速させ、省エネの推進や伝統産業の高度化、インテリジェント化、グリーン化をさらに促進する狙いがある。
これに先立ち、工業・情報化部、国家発展改革委員会、国務院国有資産監督管理委員会を含む8政府部門は2026年1月に「『AI+製造業』特別行動実施意見」を発布した。同意見は、国務院が2025年8月に公表した「『AI+』行動の深化実施に関する意見」に基づき、製造業におけるAI利活用の加速を目的としている。
同意見では、2027年までにAI中核技術を確立し、産業規模と実用化の両面で国際トップレベルの達成を目標としている。具体的には、製造業に深く浸透する汎用AIモデルの3~5件の構築、工業用AIエージェント1,000件の開発、高品質な工業分野向けデータセット100件の整備、典型的なユースケース500件の普及、世界的影響力を持つ企業2~3社の創出およびベンチャー企業の育成、AI活用のモデル企業1,000社の選定、先進的なオープンソースシステムの構築とセキュリティ能力の向上、といった目標が掲げられている。
さらに、同意見では、1)AI計算リソース供給の強化、2)業界特化型の高水準AIモデル開発など、計21の措置を明記している。1)では、AIチップのソフトとハードの協調的な発展を推進し、高度な訓練用チップ、AIサーバ、AI・計算・クラウド用OS等の基盤技術のブレークスルーを支援。2)では、モデル訓練及び推論手法の革新を支援し、製造業のリアルタイム性、信頼性、安全性の要件を満たす高性能アルゴリズムを開発。
「AI+」とは、各分野へのAI導入を意味し、2024年の政府活動報告書で初めて言及された。工業・情報化部のデータによると、中国ではデジタル化とAI導入が進んだ工場数が既に2,500を超え、これらの工場における研究開発周期は約20.7%の短縮、生産効率は約34.8%の向上、不良品率は約27.4%の低下、炭素排出は約21.2%の削減、という成果が報告されている。