2026.03
カナダ政府、カナダポストに新たな融資枠を提供

カナダの公共サービス・調達省は、カナダポストが大規模な事業改革を進める間の支払能力を維持し、サービスを継続させるため、10億1,000万ドルの融資枠を新たに利用可能にすると発表した。資金は必要に応じて提供され、返済が必要となり、資金不足が生じた場合にのみ事業資金として使用される実質的な「緊急資金」と位置付けられている。
カナダ政府は2025年1月にも、損失が続き、債券償還によって資金繰りが悪化したカナダポストに10億ドルの融資枠を提供していた。この与信枠は2025~2026年度まで維持される予定だったが、第3四半期に1年の間で2度目となる大規模な労働争議がストに発展し、損失が5億4,100万ドルと記録的な水準に達したことで、12月までに利用可能な資金が使い果たされた。カナダポストは、ストが3~4月まで続く可能性を懸念し、2024年11月の時点で追加の財政支援について連邦政府に相談していたという。
カナダポストとカナダ郵便労働組合(CUPW)は12月、2年間続いていた契約交渉で暫定合意に達し、組合員投票が行われるまでストやロックアウトを控えることで合意している。
カナダポスト唯一の株主である連邦政府は、現在のビジネスモデルは持続不可能であり、救済を続けることはできないとの立場を示しており、2025年9月には戸別配達からコミュニティメールボックス配達への移行や郵便配達基準の変更を命じた。あわせて、1990年代から続いていたルーラル地域の郵便局閉鎖猶予措置も廃止した。政府によると、年間郵便配達数は過去20年間で約55億通から約20億通に減少し、小包配達市場のシェアも2019年の62%から24%以下に縮小している。
カナダポストは2018年以降、累計で50億ドル以上の損失を計上しており、運営コストと人件費の削減、電子商取引関連の小包配送による収益拡大を柱とする改革計画を政府に提出した。ダグ・エッティンガーCEOは、過去1年半で経営陣を11%削減し、今後5年間で約1万6,000人が退職資格を得る見通しで、戸別配達からコミュニティメールボックスへの移行により年間約4億ドルのコスト削減が可能になると説明した。一方で、この計画の下でも2030年まで損益分岐点に達することは見込まれていないとしている。