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2026.03

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ウェイモ、自動運転シミュレーションの新基準「Waymo World Model」を発表
2026年2月6日、ウェイモは、大規模かつ超現実的な自動運転シミュレーションの新たな基準を確立する最先端のAI生成モデル「Waymo World Model」を発表した。

これは、Google DeepMindが開発した最先端の汎用ワールドモデル「Genie 3」を基盤として構築された。Genie 3はリアルでインタラクティブな3D環境を生成するモデルで、これを運転領域の厳格な要件に合わせて適応させたものがWaymo World Modelとなる。本モデルのアーキテクチャは高い制御性を備え、エンジニアはシンプルな言語プロンプト、運転入力、シーンレイアウトでさまざまなシミュレーションを構築できる。

ウェイモの自動運転システム「Waymo Driver」は、現実世界では完全自動運転で2億マイル近くを走行しているが、仮想世界では数十億マイルを走行し、公道で遭遇するずっと以前から複雑なシナリオに事前に対応できるよう準備している。広範な世界知識、微細な制御性、マルチモーダルなリアリズムを組み合わせることで、Waymo Driverはより多くの地域や新たな運転環境においてサービスを安全に拡大する能力を強化することを目指す。

自動運転業界のシミュレーションモデルの多くは、収集した路上データのみに基づいてゼロから訓練されているため、システムは限られた経験からしか学習できない。しかし、Genie 3は、膨大かつ多様な動画データセットを用いた事前学習を通じて強力な世界知識を獲得しており、それを活用できるウェイモ車両群は直接観察したことがない状況の探索が可能となる。

Waymo World Modelは、日常的な運転から稀なロングテールシナリオまで、複数のセンサモダリティにまたがるあらゆるシーンを仮想的に生成可能で、竜巻から象との偶発的な遭遇まで、現実では大規模に再現することがほぼ不可能な極めて稀な事象、いわゆるエッジケースを幅広くシミュレートすることが可能となる。

特に注目すべきは、Waymo World ModelがカメラデータとLiDARデータを含む高精度のマルチセンサ出力を生成する点で、ウェイモは、この自動運転に特化するポストトレーニングを通じて、2D動画からの膨大な世界知識をWaymoの3D LiDAR出力に変換できる。

Waymo World Modelの実用例としては、①薄雪が積もったゴールデンゲートブリッジの走行や竜巻に遭遇といった、極端な気象条件や自然災害、②無謀な運転者が道路外へ逸脱、先行車両が樹木の枝に突入、不安定に家具を載せた車両の後続走行、故障したトラックが逆向きに道路を塞ぐといった、稀ではあるが安全上重大な事象、③友好的なゾウとの遭遇といったロングテールオブジェクト、④同じ環境下での時間帯の変更などが挙げられている。

Waymo Driverに関して、ウェイモは2月12日、第6世代システムによる完全自動運転の運用を開始することを発表した。この最新システムは極寒の冬を含む悪天候にも対応、さらに安全に事業領域を拡大することが可能となっている。第6世代Waymo Driverを搭載する電気自動車(EV)ミニバン「オハイ(Ojai)」(ジーリー(Geely、吉利汽車)傘下のジーカー(Zeekr)が製造)は、サンフランシスコ・ベイエリアやロサンゼルスなどの一部地域でウェイモ従業員やゲストを対象にテスト運用を行っている。この第6世代システムは、ウェイモが運用している現代自動車のEV SUV「IONIQ 5」にも搭載可能となるが、ジャガー初のEV SUV「I-PACE」では引き続き第5世代システムが使われる。