2026.02
デンマーク、紙の郵便に終止符 デジタル国家が選んだ新しい郵便モデル

デンマークは2025年12月30日をもって紙の書状配達を終了し、400年以上に及ぶ国営郵便の歴史に幕を下ろした。郵便・物流大手ポストノルドは、小包配送は継続する一方、需要の激減と社会の急速なデジタル化を背景に、採算の取れなくなった書状事業から撤退した。2000年以降、郵便物取扱量は9割以上減少し、年間14億通あった書状は2億通未満にまで縮小している。背景には、行政や銀行、医療手続きのほぼすべてを担う本人確認に使用されるデジタルID「MitID」の普及がある。
2026年以降の書状配達は民間のDaoが担い、利用者は店舗への持ち込みか、有料での集荷を選択する仕組みとなった。料金支払いもデジタル化され、Daoは年間取扱量を3,000万通から8,000万通へ拡大する計画である。政府は、法律に基づき常に郵便サービスの代替手段を確保する義務を負い、Daoが撤退した場合には別の事業者を指定する。併せて、ポストノルドは未使用切手の払い戻しを当面受け付けている。紙の郵便を選ぶ国民は5%にとどまり、この移行はデジタル国家デンマークの現実を象徴している。