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2026.02

  • 中国
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中国、新技術・新産業の「応用シーン育成・開放」を促進へ
中国では、新技術が十分に成熟する前の段階から積極的に社会実験を行い、実用化へとつなげていく傾向がある。技術革新から産業化までを一気通貫で推進するべく、「シーン」を核とした政策体系の構築が進んでいる。国務院が2025年11月に公布した「シーン育成・開放の加速と新規シーンの大規模応用推進に関する実施意見」は、その全国的枠組みを示したものである。同意見では、シーンを「新技術・新製品・新業態の産業化応用を体系的に検証する具体的な場」と定義し、研究開発と市場をつなぐ架け橋として位置付けている。

特に、超大規模市場と多様な応用場面という中国の強みを生かし、総合型・業界統合型・高付加価値シーンの整備を促すことで、「技術的ブレークスルー→シーン検証→産業応用→体系アップグレード」という発展経路の確立を目指している。またAI、自動運転、スマート製造など22項目の重点シーンを設定し、国家発展改革委員会が段階的なプロジェクトリストを発表する仕組みを明確化した点も特徴である。

こうした国家レベルの方向性を受け、上海市が策定した「高度自動運転先導区『模速智行』行動計画」は、シーン戦略を最も先鋭的に具現化した地域実装と言える。同計画は、2027年までに高度自動運転の大規模シーンを実現し、スマートバス、スマートタクシー、大型トラックなどのレベル4自動運転を広範に適用することを目標に掲げる。また、自動運転デジタルツイン訓練場などの公共サービスプラットフォームの整備、交通ハブや産業パーク、観光地など多様な道路・場面の相互接続、さらには自動運転特化LLMの育成といった技術・産業インフラの強化も含まれる。

総じて、国務院の実施意見が全国的なシーン戦略の基盤と方向性を示し、上海市の行動計画がその中でも先端分野での実験場として、制度・技術・産業の総合的なモデルケースを構築している構図が浮かび上がる。