2025.12
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MIIT、全国規模で衛星IoTの商用試験を開始へ

工業・情報化部(MIIT)は2025年11月、「衛星IoT業務商用試験の実施に関する通知」を正式に発出し、全国規模で衛星IoTの商用試験を開始することを明らかにした。
今回の商用試験の目的として、衛星通信市場の供給拡大、市場主体の活性化、業界のサービス能力向上、安全監管体制の確立が挙げられている。再現性のあるモデルを構築することで、商業宇宙や低空経済といった新興産業の安全かつ健全な発展を支援する方針が示されている。
商用試験に応募する企業は、衛星IoTシステムに加え、業務支援システム(BSS)、運用支援システム(OSS)、管理支援システム(MSS)を構築したうえで、全国規模で衛星IoTサービスを提供することが求められる。サービスの対象は、衛星IoTを活用してデータの収集・伝送を行う産業ユーザで、主に工業、交通、エネルギー、農業、緊急対応などの分野が含まれる。
通知によれば、応募企業は資金・人材・設備などの基盤条件を備え、科学的で実行可能な試験計画を提出する必要がある。また、周波数及び無線局免許の取得が必須となる。試験期間は2年間とされ、その間、企業にはネットワーク安全、実名制管理、データ保護、詐欺防止対策などの義務に加え、事業データの定期報告が求められる。工業インターネット識別解析システムへの接続、IPv6対応、ライフサイクル管理の実施も義務付けられる。
なお、衛星IoTサービスとは、衛星通信技術を介して各種IoT設備を接続し、データ収集端末、ウェアラブルデバイス、ハンドヘルド端末などの多様な端末や、自動車、船舶、航空機などの交通手段に対し、広域IoT接続を提供する低速データ通信サービスである。