2025.12
欧州委員会がXにDSA違反として1億2,000万EURの罰金を科す、Xは強く反発

欧州委員会は2025年12月4日、EUの「デジタルサービス法(DSA)」における透明性義務に違反したとして、1億2,000万EURの罰金をXに科すと発表した。また、Xの認証バッジ制度についても、同制度は誤解を招く設計であり、ユーザをなりすましや詐欺の危険にさらしているとも指摘している。今回の決定は、DSAに基づく初の不順守決定となる。
欧州委員会は、Xの広告リポジトリがDSAの定める透明性、アクセシビリティに関する要件を満たしていないとし、認証バッジ制度については60日以内、透明性要件については90日以内に回答がなければ、追加の罰則を科す可能性があるともしている。
同決定に対し、Xは強く反発。Xの幹部であるニキータ・ビア氏は同月6日、X上での投稿で、欧州委員会の広報アカウントを凍結したと公表した。ビア氏は、その理由について、欧州委員会が休眠中だった広報アカウントにログインし、Xの広告作成・管理ツールである「Ad Composer」を悪用して、投稿のリーチを人為的に拡大したためだと説明している。また、Xを所有するイーロン・マスク氏は、EUの解体を示唆する形で罰金に対する反発を示している。
米国側からも反発は相次いでおり、トランプ大統領は同月8日、欧州委員会の決定を批判して、「何故彼らがこのようなことをできるのかわからない」「欧州は極めて慎重にならなければならない」と欧州委員会の姿勢を牽制したほか、FCCのブレンダン・カー委員長も同月6日、Xへの投稿で、欧州は自身を援助するために米国民に課税していると批判した。