2025.12
- 中国
- クラウド、ビッグデータ、コネクティッド
- 国別・地域別トピック
中国におけるスマートコネクテッドカーの技術進展が加速

IMT-2020(5G)推進グループは2025年10月に、5G自動車連盟(5GAA;自動車や通信、半導体メーカーなどの企業からなる5Gを利用したC-V2X(Cellular-Vehicle to Everything)技術の実装を推進する組織)と、上海において協力覚書(MoU)を再締結した。両者は2017年に初めて戦略協力協議を締結して以来、C-V2X通信技術の量産適用を共同で推進し、C-V2X用5G通信や、MEC(Multi-access Edge Computing)の広域展開などの産業ホットトピックについてセミナーを開催し、共通認識の形成と技術・産業の成熟を後押ししてきた。
今回のMoU再締結により、両者は今後、5G-A/6G、C-V2Xの進化、衛星インターネットなどの先端分野での研究を共に進めるとともに、ITUや自動車基準調和世界フォーラム(UNECE WP.29)などの国際組織を通じて、車載通信技術の標準・規制の国際的統一を推進していくとしている。
また同時期に、中国情報通信研究院(CAICT)は、IMT-2020(5G)推進グループのC-V2Xワーキンググループや5GAAなどの業界団体の指導のもと、「スマートコネクテッドカー・ネットワーク技術ロードマップ(2025~2030)」を公表した。このロードマップでは、「人-車-路-クラウド」を中心に、「接続-計算-安全」の三大技術方向を提示している。全天候・全域に対応する通信網の構築、柔軟な計算基盤、安全防御の強化を通じて、車両の多様なニーズに応える包括的な技術層を支援することを目指す。さらに、業界の垣根を越えた協調と標準化、インフラの共同構築、データの共有を促進し、持続可能な産業エコシステムの構築を図る。
なお、2025年1月から7月にかけて、中国の乗用車における新車のネットワーク接続率は 80%を突破し、5GおよびC-V2Xを搭載した車両は累計で300万台を超えた。通信インフラ面では、全国の5G基地局総数が 459万8,000に達し、すべての地級市中心部および県城中心部をカバーしている。また、30以上の都市と複数の高速道路において、路側ユニット(RSU)1万1,000台以上が設置され、車路協調インフラの整備が着実に拡大している。さらに、20の「車-路-クラウド一体型」試点都市が建設中であり、全国で開放されたテスト・デモ道路は3万5,000kmを超え、交付済みのテスト・デモ用ナンバープレートは1万枚以上に達した。