2025.12
ノルウェー政府、週1回配達の新郵便法案を公聴へ

ノルウェー政府は11月7日、急速に進む郵便需要の変化に対応するため、新たな郵便法案を公聴会に付した。ヨン=イーヴァル・ニューゴール運輸通信大臣は、「手紙や紙の新聞が減る一方で、小包は急増している。全国民が引き続き信頼できる郵便サービスを受けられるようにする」と述べ、週1回の郵便配達を基本とする制度改正の必要性を強調した。
法案は、郵便委員会がまとめた将来の郵便サービスに関する報告書を踏まえたもので、現行制度を現代の通信需要に合わせて再設計する狙いがある。これにより国は10億クローネ(約140億円)超のコスト削減を見込む。ニューゴール大臣は、「ポステン・ブリングなどの事業者は、これまで責任を持って変革を進めてきた。法改正でこの流れをさらに後押ししたい」と述べた。
新制度では、郵便サービスの内容を細かく規定せず、全国民に少なくとも週1回の戸別配達を保証する。一方で、より頻繁な受取を希望する場合は郵便局留めを選択できるようにする方針だ。公聴会では、多くの市民が引き続き自宅への配達を望んでいることが確認された。
政府はまた、新聞配達について週3回以上を確保する方針を示した。特に地方紙の発行日程に合わせた柔軟な運用を求めており、「地方紙は地域の情報発信と民主主義を支える存在である」とニューゴール大臣は強調した。さらに、法案ではすべての国民が郵便物を送受信する権利を有することを明記。国は最低限の郵便基準を設定しつつ、社会や利用者の変化に応じて柔軟に制度を調整する考えを示している。