[HTML]
H1

詳細ページ

お知らせ表示

2025.12

  • スペイン
  • 放送・メディア
  • 国別・地域別トピック
政府、国内オーディオビジュアル産業の現状を報告
デジタルトランスフォーメーション・公務省は2025年10月、国内オーディオビジュアル産業の現状を包括的に分析した「スペインのオーディオビジュアル部門に関する2025年年次報告書」を公表した[1]。映画、テレビ、OTT動画、広告、ゲーム、eSports、アニメーション、メタバース、XRのほか、同産業の持続可能性に関して、2021年から2024年の動向を調査したもので、国内オーディオビジュアル産業において、経済成長、技術の高度化、国際化、持続可能性への取り組みが強化され、コロナ禍から回復を示し、大きな進展を遂げたと報告している。主な内容は以下の通りである。
 
「スペインのオーディオビジュアル部門に関する2025年年次報告書」概要
分野 報告内容
映画 2021年から2024年にかけて、興行収入は2021年の2億5,190万EURから2024年には4億8,460万EURへとほぼ倍増した。国内制作も拡大し、2024年には長編映画と短編映画が289本制作され、国際共同制作も増加した。雇用は2023年までに23%増加した。
アニメーション/VFX アニメーションおよび視覚効果(VFX)部門は、コロナ禍から回復基調を示し、2023年の売上高は6億EURを超え、長編映画の制作数は倍増した。雇用者数は5,806人に達し、特にマドリードとカタルーニャ地方に雇用が集中している。
テレビ 2021年から「スペイン・オーディオビジュアル・ハブ・オブ・ヨーロッパ計画」が進められ、テレビ産業の収益は2021年の13億6,000万EURから2023年には14億7,000万EURに増加した。これらは、主に広告(全体の58%)と有料テレビ(40%)によるもの。
また、インターネット接続型スマートテレビの保有世帯の割合は、2021年の53.1%から2023年には64.1%に増加し、スペインにおけるコネクテッドテレビの普及率が上昇している。
OTT動画 OTT産業は国内オーディオビジュアル産業で最も高い成長を記録した。収益は2024年には34億3,600万EURと3倍に増加すると予測されている。定額制動画視聴(SVOD)が売上高を牽引する一方、デジタル広告も収益源として拡大している。
国際的動画プラットフォームにおけるユーザは約4,000万人、国内コンテンツの売上高は12億9,200万EUR超。
広告 広告産業の市場規模は2023年に126億EUR超となった。特に、デジタルメディアの台頭を背景に、オンラインプラットフォームや革新的なフォーマットへのブランド企業・広告代理店の投資が増加している。関連企業数は4万5,000社を超え、雇用数は2023年に13万人に達しており、女性の雇用が著しく増加している。
ゲーム/eSports ビデオゲーム業界は、2021年以降、売上高、プレイヤー数、スタジオ数、従業員数で成長が継続している。売上高は2022年から2023年にかけて前年比16.3%増加し、2024年の売上高の前年増加率は3%と低下したが、これは、ゲーム販売店舗全体の大部分を占める実店舗での売上が減少したことが要因の一つとなった。ただし、オンライン販売については20%近くの成長を記録している。
eスポーツも好調な傾向を示しており、2024年の収益は4,400万EURに達した。スポンサーシップが全体の3分の2以上を占めて主要な収入源となり、次いで放映権料が続いている。
メタバース/XR 国内XR・VR部門は、近年目覚ましい成長を遂げており、2024年に、VRの国内普及率は2021年の2倍以上の5.7%に達すると予想されている。特にARハードウェアは4年間で870万EURから8,920万EURに増加し、VRハードウェアは113%増加した。
メタバース市場も大幅な拡大を見せており、2024年には8億7,600万EURを超え、2022年から60%以上の成長を示すと見込まれている。
持続可能性 オーディオビジュアル分野の欧州グリーン認証基準(EcoMuvi、Green Film)や炭素排出量計算ツール(Eureca、KlimAktiv)の導入など、各事業者による持続可能性に関する取組みが進展している。
出所:Informe anual sobre el sector audiovisual en España 2025[2]